リベンジの時

 数日後ホワイトランへ戻ってきた私は情報を得るために酒場バナード・メアへ向かっていた。その途中、先日風で口論をしていたアムレンと出会った。

 夫婦喧嘩は犬も食わないというが、少し気になってアムレンに話を聞いてみた。アムレンは父の剣を探しているらしいのだが、そちらにばかり時間を割いていることに妻ザフィールが怒っているそうだ。確かに暮らしていくためにはお金が必要だし、ザフィールはそういうことがいいたいのだろう。
 もちろんアムレンにも言い分があり、父は剣を振るって稼いだお金で家族全員を養ってきたらしい。その剣がどこかでほこりを被っているのが許せないらしい。
 「俺が調べた限り、剣の場所はこの辺りの山賊の拠点にありそうだ。ホワイトランの衛兵か同胞団に頼むしかないと思っているが、もし旅の途中で見つけてくれたら恩に着る」
 私は山賊には先日世話になったばかりだ。そういえば詐欺師の隠れ家の奥に宝箱があったのを思い出した。まさかとは思いつつも先日のリベンジをせずにはいられないし、まだアリクル戦士がいるようであれば始末をしておかねばならない。アムレンに気にとめておこうといいつつその場を後にした。

 その日の夜、私は詐欺師の隠れ家の前にいた。入口には見張りはいない。どうやら先日一掃した山賊の仲間はもういないようだ。中も閑散としている。しかし警戒を怠ってミスをするのは意味がないと思い静かに奥を目指すことにする。
 最奥部に到着する。やはりアリクル戦士はまだそこにいた。向こうも警戒していたのかすぐに見つかってしまい、戦闘に突入する。

2nd_ddcasting

 葉隠が特攻し、私は魔法で迎え撃つ。新しく習得した「二連の唱え」で攻撃をするが、さすがにマジカの消費が早く後退しつつの応戦となった。一人また一人と倒れていき、ようやく最後の一人を倒したのはかなり戻ったところであった。奥で戦っていた葉隠が戻ってきてくれ、全てのアリクル戦士を始末できたことが分かった。
 奥へ戻ると右手側に宝箱があった。幸い鍵も罠も無さそうだったので早速開けてみるとアムレンが言っていた剣があった。これがアムレン家の剣であればいいと思いつつ入手しておいた。

 隠れ家を後にした私は早速ホワイトランへのアムレンの元へ向かった。ホワイトランへ戻ると配達人と名乗る男から手紙を手渡された。何事かと思いながらも先にアムレンに確認をしなければとアムレンを探し、ようやく剣を見せることができた。
 アムレンは晴れやかな顔をして喜んでくれた。お礼にお金がないので片手武器と防御の訓練をしてくれ、その場を去って行った。

 自宅へ戻ろうとしたときデュラックというオークが話しかけてきた。彼は吸血鬼ハンターを使命としており、見つけ次第排除する一団だそうだ。
 しかし、吸血鬼を見たことがないというと、周りを見ていない証拠だと言われ、番人の間が吸血鬼に壊滅させられた話は聞いていないのか?と質してきた。しかし、番人だのドーンガードだの意味が分からない。
 自身に危険が迫っているわけでもなく、しかも自分の身の丈にあっていないこともあり、彼の話には乗らないことにした。もし気が変わったらリフテンの南東にあるドーンガード砦まで来て欲しいということだった。

 家路についた私は配達人からもらった手紙のことを思い出した。
 手紙はファルクリース首長シドゲイルからのものだった。ホワイトランの従士になったことやホワイトランの依頼をこなしていることもあり、私の名がファルクリースまで届いているようだ。そして、もし、ファルクリースの従士の地位に興味があるようであれば直接会う機会を楽しみにしているということだった。従士になれば私兵や土地を購入できるように取り計らってくれるそうだ。
 まだまだ力不足の私にとっては名誉な誘いであった。だが、しばらくはホワイトランを拠点に力を付けていくつもりだ。自分に自信がついたら一度ファルクリースにも足を運ぶことにしよう。

アムレン家の剣の場所はランダムのようです。