Phantasie Memorial Set (3)
Phantasieシリーズ三作目にして完結作「ニカデモスの怒り」。前2作と違い戦闘時にダメージにRuneQuest(ルーンクエスト)のような部位損傷を取り入れたり、パーティーの配置が追加された作品となっています。その分、難易度も増しこまめなキャラクター育成が求められます。
冒険の部隊は1作目はジェルノア島、2作目はフェロンラ島、そして今作はスカンドール島となります。通して背景にいるのはニカデモスという邪悪な魔術師であり、ジェルノア島、フェロンラ島で冒険者たちにことごとく邪魔をされ失敗したことを教訓とし、より大きな力を身に着けて冒険者たちを待ち受けています。そして冒険者たちはペンドラゴンという町から冒険が始まります。
日本ではSTARCRAFTという会社が移植を手掛けており、88版、98版など当時メジャーだった機種で発売されていました。特に目を張るのはグラフィックや操作性でした。特にグラフィックはDOS/V版の4色表示は別にしてCommodore64版以上Amiga版に匹敵するものだったと言ってもいいでしょう。操作性は当時のパソコンで遊びやすいようにテンキーでほぼ操作できるようになっていたのも素晴らしい移植だったと思います。
また各シリーズで作成したデータを他のシリーズへ転送できるシステムも忘れてはいけません。転送元でゲームをクリアして称号を得ていれば、それを他のシリーズでも表示できたり、Lv.2~3ぐらいからスタートできるようにもなっていました(ただし転送元のデータは抹消されるのでデータディスクのバックアップは必須ですが)。
町の施設
町の施設は基本的に1と同じですが、少しだけプレイしやすいように変化しています。
- Options(オプション)
- Cast Spell(呪文を唱える)
- Use Item(アイテムを使う)
- Show Party(パーティー参照)
- Distribute(分配)
- Load Game(ゲームデータの読込)
- Save Game(ゲームデータの保存)
- Quit Game(ゲーム終了)
- Bank
- Withdraw all gold(全額引き出し)
- Deposit some gold(一部預け入れ)
- Mystic(神託所)
- Exit(町を出る)
- Armor(武器屋)
- Inn(宿屋)
- Guild(ギルド)
- Learn Spells(呪文の学習)
- Train Member(メンバーの訓練)
- Add Member(メンバーの追加)
- New Member(新しいメンバー)
- Drop Member(メンバーを外す)
- Reneme(メンバーの名前変更)
- Inspect(メンバーを見る)
- Purge(メンバーの削除)
オプション内にゲームの読込、保存が追加されました。ゲームを再開した場合、Load Gameをしないといけなくなりましたので注意してください(レベルアップをやり直したい場合にも利用できるようになったとも言えます)。またDistribute(分配)がオプション内に含まれたので宿屋で無駄に時間を過ごす必要もなくなりました。ゴールドは前作までは個別でBank(銀行)に預け入れや引き出しを行っていましたが、今作は戦闘から戻ってきた際にはパーティーの所持金になっています。銀行はパーティーを組んでいるメンバー全員の合計額が表示されていますが、実際には個別となっています。
メンバー(キャラクター)作成
Race(種族)→Class(クラス)を選択して作成する方式は変更ありません。種族のRandomeも前作までと同じです。変更になった部分はキャラにSocial(社会的地位)という項目が増えました。Peasant(小作人)、Labourer(労働者)、Craftman(職人)、Noble(貴族)の4つがあり、作成時における所持金に差がありますPeasant(小作人)から順番に0、256、512、768ゴールドとなっているため可能な限りPeasant(小作人)は避けたほうがいいでしょう(88版ではエルフ、ドワーフは高位的立場が出やすいとありますがDOS/Vは不明です)。
前作までと同じようにStrength、Intelligence、Dexterityは各クラスに必要なもの、Constitutionは全クラス、Charismaはレベルアップ時の費用を抑えたいなら高め、Luckは戦闘時の命中率、回避率に影響するらしいので低すぎるのはロールしなおしたほうがいいでしょう。今作から弓が登場し、全クラスともに使用することができます(ランクの高い弓が使えるかどうかはステータスによる)。スキルにも「Fire Bow」という項目が増えていますの。
そして、メンバーのステータス画面左に表示されている項目が部位となります。全部で6部位(頭、胴、左右の腕、左右の脚)となり、OKayであれば問題ありませんが、Injury(軽傷)、Break(重傷)、Gone(切断)の状態があります。序盤は関係ないだろうと思っているとあっという間に手足が吹っ飛んで何もできないメンバーの出来上がりとなります(腕、脚が重傷以上になれば弓での攻撃が出来なかったり、右腕が重傷以上になれば武器、呪文が使えなくなります)。
回復はINN(宿屋)か呪文(Healing1~4)かポーション(Healing Potion)しかありませんが、宿屋ではHealing 2相当の回復しかできません。
- Healing 1 1か所の軽傷
Healing Potion 1~3までが対応 - Healing 2 1か所の重傷または2カ所の軽傷
Healing Potion 4~6までが対応 - Healing 3 1か所の切断または1か所の重傷と1か所の軽傷
Healing Potion 7~9までが対応 - Healing 4 1か所以上の切断
Healing Potion 10が対応
実際のところ序盤でHealing Potionの入手は困難であり、呪文はさらに論外となります。つまり序盤では切断が起きた段階でゲームロードをせざる得ない状況になることを肝に銘じておきましょう。
フィールド
フィールドは左半分にマップ、右半分にメンバーのステータスと部位の状態が表示されるようになりました。パーティーの駒はチェスのナイトのような形になりました(上図では町と重なっていて非常にわかりにくいですが)。部位が切断されるとちゃんとその部位がなくなりますし、軽傷や重傷は赤い色で示されます。
フィールド中に「Enter」を押すと上記のOptionsやSpeedのメニューが使用できます。
- Options
- Continue on(フィールド移動に戻る)
- Cast Spell(呪文を唱える)
- Use Item(アイテムを使う)
- Show Party(パーティ参照)
個別に各メンバーの状態を参照できます。 - Adv. Status(冒険のステータス)
- Day out(戸外での活動日数)
- Experience(経験値)
- Gold(所持金)
- Items Found(見つけたアイテム。7分類)
- Sound(サウンド。チェックが入っていればオン)
- About(Phantasie IIIについて)
- Speed
- Fast(早く)
- Normal(普通)
- Slow(遅く)
戦闘
敵と遭遇すると戦闘が開始されますが、前作同様に寝ている敵を見つけたり、物音で気が付いたりと様々なシチュエーションがあります。戦闘が開始されると上図の画面となり、Optionsから行動を決めることになります。
- Fight(戦う)
- Threaten(脅かす)
- Greet(挨拶をする)
- Mercy(慈悲を乞う)
- Run away(逃げる)
- Identify(モンスターの識別)
- Party Health(パーティーの状態)
- Sound(サウンド)
Identify(モンスターの識別)を必ず最初にするようにすれば逃げるかどうかの判断もできるようになるかと思います(必ず逃げられるわけではありませんが)。Fight(戦う)を選択すると各メンバーへのコマンド(命令)をする画面になります(この画面まで進むと前の画面に戻れず1度は戦闘をする必要があります)。
各メンバーへのコマンドは前回の状態が選択されたままになっているので必ず確認をしてから戦闘するようにしましょう。攻撃方法はFire bowとAime Blow、Change Rankが増えました。Fire bowは弓を使用します。敵が隊列(Rank/ランク)を組んでいる場合は攻撃するランクを選択できます。Aim Blowはモンスターの頭か胴体を狙い撃ちしますが、ランク1しか選択できませんし、命中率は低いため低レベル時には使うべきではないでしょう。
Change Rankはパーティーの隊列を設定できます。Front(前列)、Middle(中列)、Back(後列)で一度決めたら、次回以降も維持されます。前列は中列基準で命中率増加、回避率低下、後列は命中率低下、回避率増加という感じです。
カーソルキーでメンバーを選択して行動を選択します。呪文は覚えているもののリストが表示されるのでそこから選択できます。すべての命令を選択したらESCで戦闘を開始します。敵と味方と行動が終わったらまた最初の画面に戻りますのでどちらかが全滅するまで繰り返します。
今作は部位があるためHPがあっても即死があります。しかも切断も当然のようにありますのでこまめなセーブは今まで以上に必要になります。切断が治せるようになるまで(呪文を覚えるまで)は切断になったらロードし直すぐらいのほうがいいでしょう。
ちなみに全滅するとアストラルプレーンへ送られます。完全に死ぬかアンデッドとして蘇りますが、アンデッドはLv.20になり死んだ状態のステータスになるのでレベルアップができなくなると思います。